フォトグラファー 小木曽 絵美子さん
「女性は撮られることで、もっと自由に生きられる」。そんな思いを胸に活動を続けるフォトグラファー・小木曽絵美子さん。撮る人と撮られる人、そのどちらの気持ちにも寄り添いながら、彼女は「撮られることを文化にしていく」という言葉を掲げています。普段はエミーちゃんと呼ばれ親しまれる絵美子さんに、写真と向き合うようになった道のりや、その奥にある思いをうかがいました。
一枚の写真が「宝物」になる瞬間から
もともとはデザイン系の専門学校でカメラと出会った絵美子さん。写ルンですで気軽に撮るのが好きだった少女が、一眼レフに触れて夢中になっていきました。けれど、すぐに写真を仕事にしたわけではありません。アパレルや販売の仕事を経て、結婚・出産を経験。子どもの成長を残したくてカメラを再び手に取ったといいます。やがてよもぎ蒸しのサロンを実家の和室で始めた頃、施術を終えたお客さまの肌がつやつやと輝いていることに気づきます。「きれいですよ」と言葉で伝えても受け取ってもらえない。だからこそ「写真として残したい」。それが、女性を撮りたいと本気で思った最初のきっかけでした。


「撮られることを文化に」という願い
40歳の誕生日を前に、絵美子さんは「100人を無料で撮影する」という企画を立ち上げます。撮ること自体が目的ではなく、写真展という形に残すことで、より多くの女性に思いを届けたいと考えました。集まった声から見えてきたのは、世の中の多くの女性にとって「撮られること」のハードルがまだまだ高いという現実。撮られることが当たり前になり、その良さが日本全国に広がっていく――そんな状態を絵美子さんは「文化」と呼びます。掲げるキャッチフレーズの奥には、「女性が女性らしく自由に生きていく」という、より大きな願いが込められています。

弱さを抱えたまま、淡々と進む強さ
絵美子さんの写真や活動からは、独特の「強さ」がにじみ出ていると言われます。それはバリバリと前に出ていく強さではなく、状況に合わせてコツコツと積み上げていく強さ。その背景には、応援してくれていたご主人を亡くした経験があります。「やりたいことをやらないまま終わってほしくない」。ご主人の人生を振り返り、そして今は小学生になる息子に自分の生き方を見せていくために、彼女はカメラの活動を本気で続けると決めました。「強くありたい」と語る絵美子さんが目指すのは、衝撃を受けても壊れず、吸収しながらしなやかに在り続ける姿。これからのセカンドシーズンも、楽しみながら一歩ずつ進んでいきます。





