?ブのまわりに、立ち止まる場所をつくる。Honda「Cub HOUSE」は店の一角から始まる

Hondaの二輪車正規取扱店の中に、原付二種のための小さな居場所をつくる。「Cub HOUSE」は、新しい店舗を一から建てる話ではなく、すでにある店の一角に、好きな人が立ち止まれる理由を増やす話として読むと面白い。

バイク屋さんに行く理由は、いつも車両を買うことだけではないと思う。ちょっと部品を見たい。ヘルメットを眺めたい。Tシャツやボトルみたいな、乗る前後のものも気になる。用事というほどではないけれど、近くを通ったら寄りたくなる。そういう余白がある店は、乗りものとの距離を少しやわらかくしてくれる。

Hondaの新しいショップコンセプト「Cub HOUSE」は、まさにその余白をつくろうとしているように見える。Honda二輪車正規取扱店のうち「Honda Commuter」店舗内に、原付二種まわりのパーツやアパレル、日用品、ライディングギアをまとめたコーナーを設ける。まずは埼玉・戸田の1店舗から始まるトライアルだ。

Honda Cub HOUSEの展示イメージ

「買う場所」から、「見に行く場所」へ

発表したのは、株式会社ホンダモーターサイクルジャパン。狙いとして示されているのは、国内二輪市場の発展と活性化、多様化するニーズや価値観への対応だ。少し硬い言葉だけれど、実際の動きはかなり生活に近い。

「Cub HOUSE」が掲げる価値観は「Culture」「Unique」「Bikes」の3つ。対象はHondaの原付二種ラインアップで、スクーターとコンペモデルは除くとされている。車両そのものだけでなく、その周辺にある好きなものを同じ棚に置く。すると、バイクは移動手段であると同時に、休日の服や部屋の小物、道具選びともつながってくる。

Monkey125、CT125・ハンターカブ、Dax125の名前が並ぶだけで

トライアル拠点で主な取扱商品として挙げられているのは、オリジナルのカスタマイズパーツ、オリジナルアパレル、各種アイテム。具体的にはTシャツ、ボトルやマグ、ヘルメットなどが紹介されている。

カスタマイズパーツの対応車種として明記されているのは、Monkey125、CT125・ハンターカブ、Dax125。この車種名が並ぶだけで、コーナーの空気が少し見えてくる。速さを競うというより、自分の生活の中にどう置くかを楽しむバイクたち。車両の横に、パーツやTシャツやマグがあることが自然に感じられるラインアップだ。

Cub HOUSEのロゴや展示コーナーのイメージ

新店ではなく、既存店の中に置く意味

面白いのは、「Cub HOUSE」が独立した新店舗ではなく、既存のHonda二輪車正規取扱店の中に置かれることだ。Hondaの正規取扱店は、全排気量を扱う「Honda Dream」と、250cc以下を扱う「Honda Commuter」の2チャネル体制。今回のコーナーは、そのうちHonda Commuter店舗内スペースに設けられる。

これはたぶん、原付二種の距離感に合っている。日常の足に近く、でも趣味としても手を入れたくなる。だから大きな旗艦店より、普段の整備や相談の延長線上にコーナーがあるほうが、ふらっと見に行きやすい。お店の一角にあるからこそ、車両を買ったあとも関係が続きやすいのかもしれない。

Cub HOUSEで扱うアイテムのイメージ

まずは埼玉・戸田の1店舗から

トライアル拠点として示されているのは、「株式会社ホンダ二輪・美女木1号店」。所在地は埼玉県戸田市美女木3丁目20-11。ここでのオペレーションを経たうえで、2026年秋以降、全国の一部Honda Commuterチャネルを中心に順次展開する予定とされている。

現時点の発表では、コーナーの開始日、営業時間や定休日、予約の要否、試乗やイベントの有無、商品の価格や販売方法までは確認できない。気になって訪れる場合は、公式サイトや店舗側の案内を見てから動くのがよさそうだ。なお「Cub HOUSE(ロゴ)」は商標登録出願中とされている。

Cub HOUSE関連アイテムの展示イメージ

バイクのまわりに、もう一度立ち止まる場所をつくる

「Cub HOUSE」は、大きな発表として見るより、小さな棚の変化として見るほうがしっくりくる。車両を売るだけではなく、乗る前後の気分や、手を入れる楽しさや、好きなモデルの周辺にあるものをまとめて見せる。そういう場所が店内にあると、バイクは少しだけ長く日常に残る。

カブやMonkey、Dax、ハンターカブのようなバイクは、実用と趣味のあいだに立っている。そこに「Culture」「Unique」「Bikes」という言葉を添え、正規取扱店の中に小さな居場所をつくる。まずは戸田の一角から始まるこの試みが、どんなふうに全国へ広がるのか。派手なニュースではないけれど、追いかけてみたくなる動きだ。

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