沈む船と、900年後の南極。Steamバンドルで選ぶ「旅の呼吸」

ゲームをまとめて買うとき、値段より先に「この2本を続けて遊ぶ自分」を想像することがあります。

沈みはじめる豪華客船から逃げるゲームと、900年後の南極を歩くゲーム。舞台だけ見ると、ずいぶん遠い。でも、Steamの期間限定バンドル「荒れ狂う旅路、その果てに ― A Turbulent Journey ―」として並べられると、どちらもたしかに“旅”なのだと気づきます。違うのは、旅の呼吸です。

Steamバンドル 荒れ狂う旅路、その果てに のビジュアル

沈む船の中では、時間が短くなる

『Gift』は、パズル要素とアクション要素を「船からの脱出」というコンセプトに落とし込んだサイドスクロールのアクションゲームです。主人公は老人。目を覚ますと豪華客船にいて、船は突然、大きな音を立てて沈み始める。残された乗客を探しながら、脱出を目指すことになります。

この設定だけで、プレイヤーの時間感覚はかなり狭くなります。広い世界を自由に眺めるというより、目の前の段差、仕掛け、部屋、誰かの気配に集中していく。沈む船という場所は、物語の舞台であると同時に、プレイヤーの焦りを作る装置でもあります。

「急がなければいけない」と言われなくても、床が傾くような気がする。水音が近づいてくる気がする。そういう圧の中で、パズルとアクションがただの操作ではなく、逃げるための手つきになっていくのが『Gift』の魅力なのだと思います。

豪華客船からの脱出を描くGiftのゲーム画面

南極では、時間が長くなる

一方の『南極計画』は、900年後の荒廃した南極が舞台です。南極点から発せられる謎のシグナルを目指して、主人公と動物たちが旅をする。発表資料では、サバイバル、クラフト、広大な探索、野生動物たちとの絆といった要素が紹介されています。

こちらは、同じ旅でも急かされ方が違います。船内のように一手ごとに追い込まれるのではなく、少しずつ歩く。集める。作る。環境を読む。たぶん、遠くにある目的地へ近づいていく時間そのものが、ゲームの手触りになります。

面白いのは、この2本がジャンル名だけで寄せられているわけではないところです。片方は短く息を詰める旅。もう片方は長く息を使う旅。どちらも荒れているけれど、荒れ方が違う。だからバンドル名の「荒れ狂う旅路」は、ただの飾りではなく、2本の距離をつなぐ言葉として効いています。

900年後の南極を旅する南極計画のゲーム画面

25%OFFより先に、並べ方が気になる

このバンドルはSteamで提供され、期間は2026年3月20日(金・祝)から5月31日(日)まで。割引率は通常価格より25%OFFと案内されています。バンドルページのほか、『Gift』と『南極計画』それぞれのSteamストアページも用意されています。

もちろん、買う側にとって割引は大事です。ただ、この組み合わせは価格だけで見るより、「今日はどちらの旅をしたいか」と考えるほうが楽しい。沈む船の中で一気に集中したい日もあれば、荒廃した南極でゆっくり遠くを目指したい日もある。ゲームを選ぶというより、その日の呼吸を選ぶ感じに近い。

なお、発表文では25%OFFと期間は示されていますが、通常価格や割引後価格の具体的な金額、含まれる商品形態の細部は本文中では明示されていません。購入前には、Steamのバンドルページで最新の条件を確認しておくのが安心です。

沈む船と、900年後の南極。同じ「旅」という言葉でまとめられても、遊ぶときの身体の使い方はきっと違う。その違いを並べてくれるバンドルは、ただお得なセットというより、次に遊ぶ時間の質を選ばせてくれる棚のように見えます。