便のこと、続かない。そこに「占い」という入口を置いた天藤製薬の次の一手

天藤製薬の「便質改善プロジェクト」第3弾は、占星術師監修の「すっきり占い」をうんち記録アプリ「ウンログ」に組み込む取り組み。医師監修の機能から“占い”へ、語り口が切り替わる理由を数字と背景から追う。

便の話は、切実なのに「出た/出ない」で止まりがち。天藤製薬はそこに、占いを入口にした便質チェック「すっきり占い」を持ち込んだ。好きポイントはここで、まじめな健康習慣が続かない現実を、気合ではなく“導線の設計”として扱っているところ。こういうの、地味に助かる発想だと思う。

便が健康の手がかりになる——そんな話は聞いたことがあっても、日常で毎回ちゃんと観察するのは難しい。天藤製薬も、これまでうんちは「出るか・出ないか」を中心に語られやすく、便そのものが持つ健康情報としての価値が十分に注目されてこなかった、という見方を示している。

一方で近年は、腸内環境や排便と健康の関係を扱う研究が進み、便を「体の状態を映す情報の宝庫」と捉える考え方が広がりつつあるという。そこで同社が持ち出すキーワードが「便質」だ。便質は、便の硬さや色、においなどを総合した指標として説明されている。

ただ、指標が増えるほど続ける難度も上がる。天藤製薬は、便質や観便は意識し続けることが難しく、習慣として定着しにくい点を課題に挙げる。さらに同社の調査では、便質改善の必要性を感じながら行動に移せていない人が多く、理由として最も多かったのが「日常の中で自然に便質を意識できる仕組みがないこと」だったという。ここを“根性”ではなく“仕組み”の問題として整理しているのが、今回の話の前提になっている。

この前提を裏打ちする数字がもう一つある。健康行動のきっかけとして「医師や専門家のアドバイス」が42.1%と最も多い一方で、「占いのラッキーアクション」も38.2%と近い割合で挙がっている。正しい話が人を動かす場面はもちろんある。でも、軽いノリが背中を押すことも、思っているより現実的——その感覚が、占いを入口にする理由をわかりやすくしている。

今回の「すっきり占い」は、天藤製薬が2023年から取り組む「便質改善プロジェクト」の第3弾として位置づけられ、占星術師・SUGAR氏が監修を担う。狙いは、占いという親しみやすいコンテンツを入口にして、自分の体質や傾向に目を向けてもらうこと。

流れとして対照的なのが、同プロジェクトの第2弾とのつながりだ。第2弾では、石井洋介医師が監修した“うんちテック機能”「便質改善サポートツール&観便検定本プロジェクト」と連動した施策として展開されていたという。医師監修の文脈から、占星術師監修の文脈へ。ここに、便質を「知る」から「続ける」へ寄せていく意図が見える。

「すっきり占い」は、うんち記録アプリ「ウンログ」内で使える形になり、App StoreとGoogle Playの案内も記載されている。ただし、この範囲の情報だけだと、具体的な使い方(何を入力し、どう結果が出るか)、料金、いつから使えるのかといった細部までは読み取れない。言い換えると、細部の前にまず「続けるための入口」を作ること自体がニュースの中心に置かれている。

便質を、硬さや色やにおいまで含めて見ていく——それ自体は“まじめ”で、続けるにはそれなりの気力がいる。だからこそ天藤製薬は、医師の言葉だけで押し切らず、占いという軽やかな入口も同居させた。便の観察が、気づけば生活の中に紛れ込んでいる。そんな形に近づけようとしているところが、今回いちばん面白い。

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出典

  • 原題:ボラギノール®を販売する天藤製薬が3月の大腸がん啓発月間にうんち業界で異例の“占い×便質チェック”の視点で「すっきり占い」を開発しウンログに実装 | 天藤製薬株式会社のプレスリリース
  • URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000125727.html

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