目録の先に「交流会」がある——日本生協連の助成(6年目)と、広がる子どもの貧困支援の回路

日本生協連の助成事業で、2025年度は44団体の応募から17団体に総額690万円を助成することになった。2026年3月6日のオンライン贈呈式は、団体の活動紹介に加えて交流の時間も組み込まれている。数字のニュースに見えて、支え方の“つなぎ方”が見えてくる。

日本生活協同組合連合会(日本生協連)が行う「『子どもの貧困』支援活動への応援助成」で、2025年度は44団体の応募から17団体が選ばれ、助成総額は690万円となった。贈呈式は2026年3月6日(金)15:00〜16:00にオンラインで開かれ、目録の贈呈だけでなく、団体代表者による活動紹介や、式のあとの交流会も行われたという。

この助成は、日本生協連の通販事業「くらしと生協」と運動「子どもの未来アクション」が連携し、2020年度に始まった。今のかたちになってから6年目にあたる。

対象として掲げられている「子どもの貧困」は、家計の厳しさだけに限らない。虐待や孤立など家庭の問題、関係性や機会の乏しさまで含め、地域で子どもを支える活動が射程に入る。言葉の幅が広いぶん、現場の動きもひとつの型では収まらない。

今回の贈呈式(オンライン)の内容は、開会挨拶、目録贈呈、代表団体からの活動報告、審査委員からの総評と閉会挨拶、そして交流会(全体交流・まとめ)、記念撮影まで。好きポイントをひとつ挙げるなら、ここだと思う。お金の受け渡しで終わらせず、団体同士が情報交換できる時間を最初から“セット”にしているところ。こういうの、地味に助かるはずで、支援の悩みや工夫って、同じ地域の外にこそヒントが転がっていたりするから。

この「つなぐ」感覚は、助成の話だけで完結しない。日本生協連が全国の70生協と47都道府県生協連を対象にしたアンケートでは、64生協が子どもの貧困・生活困窮者支援に関する取り組みを行っているとされ、前回調査(2022年度の活動を対象)での「62」を上回った。増加傾向にある活動としては、子ども食堂、フードバンク、フードドライブのほか、奨学金制度、助成金制度も挙げられている。目の前の食と、少し先の学びや継続の資金。その両方が並行して増えている、という見え方だ。

連携先の傾向として、社会福祉協議会との連携が増えているとも書かれている。地域の中で相談や支援につながる回路が、少しずつ組み替わっているサインとして受け取れる。

助成先の取り組みを見ても、同じ枠の中にいくつもの“支え方”が並ぶ。たとえば、特定非営利活動法人FutureSeedsは岩手県盛岡市を拠点に、八幡平市の一人親家庭の子どもへ食料品や日用品を届ける取り組みで採択された。「届ける」支援がある。

みんなの居場所ひまわりは、月一度の土曜昼のカレー食堂を続けつつ、月1度の木曜夕方に「ひまわり夕ごはん」を行う予定だという。「集まる」時間を増やす支援。

一般社団法人Spiceは、月1回のフードパントリーと食イベントを通じて、「食」と「つながり」を継続的に支える居場所づくりを掲げている。「配る」ことと「関係を保つ」ことを、同じリズムで回していく支援だ。

2019年度までは、「くらしと生協」30周年記念事業の寄付プロジェクト「福島子ども子育て応援」として3か年で行われ、その後、2020年度から現在の助成として続いてきた。支援はどうしても“単発の良い話”に見えやすいけれど、続いていること自体が、地域では小さなインフラになる。オンラインで目録が渡され、そのまま交流の場に切り替わる——その流れの中に、いまの支え方の輪郭が静かに出ている。

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出典

  • 原題:日本生協連、「子どもの貧困」に向き合う17団体に総額690万円を助成。子どもの未来を支える地域の取り組みを支援 | 日本生活協同組合連合会のプレスリリース
  • URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000040982.html

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