コーヒーフィルターの会社が、犬の“ごはん”を作りはじめた日。冷凍ペットフード「Onetable」の話

手作りに気持ちは向くのに、平日の夜は手が足りない。そんな暮らしの隙間に、犬の食事を“別枠”にしない感覚がすっと入ってくる。大分・別府の三洋産業が立ち上げた新ブランド「Onetable」と、インターペット東京での初出展まで。

夜のキッチンは、いちばん現実が出る場所です。人の夕飯はどうにか着地しても、犬のごはんだけが「ちゃんとしたい」の気持ちを置き去りにしがちで、片づけの音に混ざって小さな罪悪感が残ることもある。そんな生活の温度と相性がよさそうな出来事として、コーヒーの道具を作ってきた株式会社三洋産業(本社:大分県別府市、代表取締役:中塚茂次)が、冷凍のペットフード事業に踏み出し、新ブランド「Onetable(ワンタブル)」を立ち上げました。

手作りがいちばん、という言い方はたぶん正しいんです。でも、毎日は正しさだけで回らない。切る時間、煮る時間、冷ます時間、その横で仕事の連絡が入り、洗濯物が気になり、明日の段取りが頭をよぎる。犬はそんな事情を知らない顔で、いつもの時間に、いつもの気配で台所へ寄ってきます。

ブランド名の「Onetable」には、犬の食事を“別枠の作業”から少しだけ引き寄せて、「同じテーブル」に乗せ直すような響きがあるんですよね。ペットフードと聞くと、機能や成分の話が先に立ちやすい一方で、ここで見えてくるのは先に暮らしの風景です。解凍を待つ数分の間に漂う匂いと、足元の気配が、食卓の延長線上にちゃんとつながっていく感じがあります。

おもしろいのは、その元になった料理が、もともと人のための人気メニューだったことです。三洋産業が別府市で展開するレストラン「滋味創菜 百膳の夢」に連なる自社オンラインショップ「おうちで百膳」で人気のメニューをもとに、同じ料理を犬用に仕上げたそう。人の食卓のために積み上がってきた味や手間が、犬の器のほうへ、かたちを変えて移っていく。その行き来が、日々の食事をめぐる感覚を少しだけ柔らかくしてくれます。

Onetableは冷凍のペットフードで、全9種を展開します。冷凍という形式は、豪華さよりも“続けられるほう”へ寄っていく選択肢でもありますよね。冷蔵庫の前で、今日の余力に合わせて出せるものがあること。平日は淡々と、週末は少し丁寧に、という生活の波に合わせて、器の中身も無理なく揺れていく感じです。

製造や調理の話も、どこか人の料理に近いんです。フードカッターは一切使用せず、食材はすべて手作業でカットすると記されています。さらにプロトン冷凍という急速冷凍で、鮮度を一気に閉じ込めるという説明もありました。言葉自体は少し専門的でも、伝わってくるのは“道具と手間を惜しまない”という態度で、そのあたりはコーヒーの世界にも通じるものがあります。

そもそも三洋産業は1973年創業で、コーヒーペーパーフィルター製造のパイオニアとされています。世界で初めて円すいペーパーフィルターを開発したという記載もあり、コーヒー器具ブランド「CAFEC(カフェック)」、スペシャルティコーヒー専門店「YOUMECA(ユメカ)」、そして食のブランド「滋味創菜 百膳の夢」を展開してきました。湯の落ち方を整えるための紙を作ってきた会社が、今度は犬の一皿を整える——その飛躍が意外なのに、妙に筋が通って見えるんです。Onetableは国内最大級のペットイベント「インターペット東京」に初出展し、会期は2026年4月2日(木)〜5日(日)、会場は東京ビッグサイト。案内は https://interpets.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja.html に載っています。忙しさの中で食事がただの段取りになりかけるとき、手作業のカットや冷凍の話がふと同じ線でつながって、台所の灯りの下で解凍を待つ数分が少しだけ静かに感じられる夜もありそうです。

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出典

  • 原題:【コーヒー企業】三洋産業がペットフード事業に進出!新ブランド「Onetable」(ワンタブル)誕生 4/2(木)【インターペット東京】に初出展 – 株式会社 三洋産業のプレスリリース
  • URL:https://www.value-press.com/pressrelease/371316