理科実験の隣に、コマ撮りとVtuberがある。新地町のテクノフェアを読み返す

子ども向けの科学イベントで、実験ブースの隣にコマ撮りアニメーションや「なりきりVtuber」が並ぶ。そう聞くだけで、少し会場を歩いてみたくなります。理科の入口が、白衣やビーカーだけではなく、映像や光、表現の方向にも開いているからです。

大阪電気通信大学は、福島県相馬郡新地町の新地町文化交流センターで「テクノフェアin新地町」を開催すると発表しました。日程は2026年3月24日(火)10時から17時、3月25日(水)10時から14時。対象は小中学生で、参加費は無料、事前予約は不要と案内されています。現在は終了済みイベントとして読む情報です。

理科実験教室から、テクノフェアへ

この取り組みは、震災復興ボランティアの一環として行われるものです。もともとは2016年から、大阪電気通信大学の学生らが新地町を訪れ、地元の小学生を対象に「理科実験教室」を続けてきた流れがありました。その活動が、現在は「テクノフェアin新地町」という名前になっています。

名前が変わるということは、入口が増えるということでもあります。今回のワークショップには、「人工いくら」を作る実験、液晶オパール、スライムづくりといった理科らしいメニューが並びます。一方で、「3D影絵」「コマ撮りアニメーション」「ライトアート」「時間よ戻れ」「なりきりVtuberその2」といった表現寄りのメニューも用意されています。

理科とアニメーション、化学とメディア表現が、同じ会場で隣り合う。子どもにとっては、興味の入口がひとつに絞られないことが大事なのだと思います。実験が好きな子も、映像が気になる子も、まずは近いところから入っていけます。

大学の中の違う専門が、同じ場に出てくる

運営の中心は、大阪電気通信大学の工学部 基礎理工学科 環境化学専攻です。そこに、同学科の環境化学専攻・数理科学専攻の理科教職課程の学生、さらに総合情報学部 ゲーム&メディア学科(視覚文化研究室)の学生らがサポートとして関わります。

講師としては、齊藤安貴子教授、森田成昭教授、由良泰人教授の名前が挙がっています。学外からは、ラボラトリー・ワーク・グループ大阪代表で日本分析科学専門学校校長の髙野裕恵氏も参加。協力はラボラトリー・ワーク・グループ・大阪、後援は新地町教育委員会です。

会場は新地町文化交流センター(福島県相馬郡新地町駅前一丁目3番地)。無料で予約不要という案内は、子どもがふらっと覗ける距離感をつくります。参加条件や定員、各ブースの所要時間までは参照情報だけでは確認できませんが、入口の低さはこのイベントの大きな魅力です。

復興支援という言葉は、ときに重く響きます。でも、子どもたちが実験をのぞき、光で遊び、アニメーションを作る時間として置かれると、支援はもう少し日常に近い形になります。新地町での2日間は、学ぶことと遊ぶこと、科学と表現、大学と地域が、同じテーブルに並ぶ場だったのだと思います。