睡眠の悩みと、働く場所の拡散。どちらも「自分の努力」だけでは片づきにくい。

睡眠の悩みと、働く場所の拡散。どちらも「自分の努力」だけでは片づきにくい。そんな流れの中で、“環境を整える小道具”としての音が、URLひとつで入り込んでくる。

キャンプ女子株式会社は、バイノーラルビート(脳波誘導技術)を使うWebアプリ『聴く耳栓』の先行登録を自社サイトで受け付けている。ブラウザで動き、インストールは不要。基本機能は無料で、PC・スマートフォン・タブレットから使えるとしている。

睡眠の不調って、体調だけじゃなくて、判断力とか気分の粘り方とか、生活の手触り全体にじわっと来ます。厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」を引きながら、同社は「日本人の約5人に1人が睡眠に何らかの悩みを抱えている」と背景に触れている。悩みが珍しくない、というのがまず前提になってきた。

もうひとつの前提は、働く場所が散らばったこと。リモートワークの普及で、カフェや自宅など雑音の多い環境で「集中できない」「オン・オフの切り替えができない」と感じる人が増えている——これも同社が開発背景として挙げている点だ。静かな部屋がない、という話だけではなくて、静かすぎても落ち着かない日があるのも、わりと“あるある”。

そこで出てくるのが「対策」より先に「環境づくり」を助ける道具だ。明かり、机の上、タイマー。大きな改善を誓うというより、切り替えのきっかけを先に置いておく。音も、その棚に並び始めている。

『聴く耳栓』は名前の通り、“塞ぐ”より“足す”発想に寄った道具として紹介されている。形式はWebアプリで、ブラウザだけで動作し、インストール不要。基本機能は無料。対応ブラウザはChrome、Safari、Firefox、Edgeで、PC/スマートフォン/タブレットからの利用が案内されている。

中核の仕組みとして説明されているのが、バイノーラルビート。左右の耳にわずかに異なる周波数の音を流し、脳が差分の周波数を自動的に生成する現象を利用した技術だという。効果については、Garcia-Argibay et al.(2019)のメタ分析をはじめ、複数の学術研究で集中力向上・ストレス軽減・睡眠改善への報告がある、と同社は記している。左右差を使うため、利用時はヘッドフォン/イヤフォンの装着が前提になる。

機能面は「音の種類」だけに寄せず、用途の切り替えまでまとめている設計になっている。8つの脳波モード(集中力UP 15Hz、α波10Hz、β波20Hz、θ波6Hz、γ波40Hz、δ波2Hz、シューマン共振7.83Hz、ブラウンノイズ)に加えて、環境音ミックス(雨音・焚き火・波音)や、ポモドーロタイマー(25分集中→5分休憩の自動サイクル)、入眠後の自動フェードアウト(スリープフェード)などが挙げられている。

好きポイントをひとつだけ挙げるなら、この「切り替え」をまるごと短い手順に押し込んでいるところ。ヘッドフォンかイヤフォンをつけて、指定URLへアクセスし、モードを選んで再生ボタンをタップする。こういうの、地味に助かります。プリセットは最大5つまで保存でき、リアルタイムのビジュアライザーも用意されているというから、気分や作業内容に合わせて“自分の型”を作っていく使い方にも向きそうだ。

今後の予定としては、2026年春のリリースを見込むとし、iOS/Androidのネイティブアプリ化も視野に入れていると書かれている。さらに同社のお香ブランド「CRYSTAL INCENSE(クリスタルインセンス)」と連携し、「音×香り」の体験も計画しているという。

集中や睡眠って、正解を探すほど遠のく日がある。だからこそ、努力の手前に「切り替えのスイッチ」を置く発想が、少しずつ当たり前になってきたのかもしれない。『聴く耳栓』の先行登録は、キャンプ女子株式会社のページ(https://www.camjyo.com/kiku-mimisen/)で受け付けている。

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