とんかつの“匂い問題”に、店が先回りしてくれてる。東京とんかつ がぶうが、10ヶ月で百名店に入った話

2025年4月25日オープンの「東京とんかつ がぶう」が、食べログ「とんかつ 百名店 2026」に選出。新規選出26店の中で、オープンから最短期間とされる。理由をひとことで言うなら、「匂いを置いて帰れる店づくり」だった。

仕事帰り、とんかつの看板に吸い寄せられそうになって、踏みとどまる日がある。お腹は空いてる。でも揚げ物の匂いが服に残る気がして、あともう一歩が出ない。そんな迷いのこと、たぶんみんな一度はある。

2025年4月25日にオープンした「東京とんかつ がぶう」が、食べログ「とんかつ 百名店 2026」に選ばれた。しかも今回の新規選出26店の中で、オープンからの期間が最も短い“最速”だという(移転出店を除くと2位は24ヶ月、という注記まである)。早さの話なのに、惹かれたのはスピード感より、生活の小さな不安をちゃんと拾っているところだった。

好きポイントを一つだけ挙げるなら、ここは「匂いを背負わずに帰れる」方向へ店が組み立てられているところ。

店内はカウンター17席。揚げ場を客席から離して、油の匂いが部屋全体に広がるのを抑える設計だという。さらに、ひとりあたりのスペースも広めに取っているそうで、とんかつを食べに来たのに、席の圧や熱気で先に疲れる……みたいなやつを避けてくれる。こういうの、地味に助かる。

もちろん、味の土台も手堅い。衣に使う生パン粉は完全オーダーメイド。豚肉は肉厚にカットして、低温でじっくり火入れする。言い切りのコピー(店の言葉でいえば「もう普通のとんかつには戻れない」)より、手間の置き方が具体的で、軽さの理由が想像しやすい。

豚肉は全国から厳選した複数の銘柄豚を日替わりで出すスタイル。固定の“正解”を押しつけない感じがあって、初回の緊張が少しほどける。今日はこれがいちばん、みたいな日があっていい。

脇役も抜かりない。ごはんは羽釜炊き。キャベツには黒トリュフドレッシングを用意し、ごはんとキャベツはおかわり自由とされている。とんかつ屋の満足って、結局は食卓のリズムで決まることがあるから、この整え方はうれしい。

価格は、上ロース定食が3,278円〜、特上ロース定食が3,828円〜、特上フィレ定食が4,048円〜(いずれも税込)。安さで引っ張る店ではなく、空間の匂い対策や日替わり運用、手間のかけ方に“分解できる値段”が付いているタイプだと思う。

メディアでも、2025年5月に「めざましテレビ」、2025年12月に「なりゆき街道旅」「ヒルナンデス!」、2026年2月に月刊「おとなの週末」へ掲載と、話題は十分。代表の大沼康宏さんは、製菓企業の株式会社BAKEを含む複数スタートアップで役員を歴任し、BAKEの元執行役員でもあるそうで、体験を“設計”する発想が店の細部に出ているのかもしれない。

百名店に入った、最速だった——そんなトピックはたしかに強い。でもこの店のいちばんの良さは、食べ終わったあとに「匂い、大丈夫かも」と思わせてくれるところだと思う。

とんかつが好き。でも重さや匂いが気になる。そんな日のために、店が先回りしてくれている。帰り道、肩の力が抜けたまま夜風に当たれるなら、それだけで記憶に残る一軒になる。

出典

  • 原題:オープンわずか10ヶ月で「食べログ とんかつ 百名店 2026」に選出。新規選出26店舗の中で"最速"の快挙 ─ 東京とんかつ がぶう | 株式会社GAVRIFOODのプレスリリース
  • URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000155297.html