陸上自衛隊 第4音楽隊と福岡第一高校 吹奏楽部に、来場者の音も重なる。「自由演奏会」があるって、地味にうれしい。
音楽って本来、もっと身体の近くにあったはずなのに。忙しい日々のなかでは、イヤホンで「聴いて終わり」になりがちです。そんなところに、ちょっと違う入口を用意したコンサートが、福岡市民ホールの1周年に合わせて開かれます。キーワードは「聴く」より、「混ざる」。

会場は福岡市民ホールの大ホール。公演名は、開館1周年記念コンサート「響け!未来へのファンファーレ」です。日時は2026年3月15日(日)14:30〜16:00(開場13:45)。
出演の軸になるのは、陸上自衛隊 第4音楽隊。指揮は松田拓也さんと記されています。音楽隊と聞くと、きりっと整列したイメージが先に立つかもしれません。でも吹奏楽の良さって、音がまっすぐ届いて、呼吸まで整ってくるところにある。金管が空気を押し出して、打楽器が輪郭をつくる。あの感じ、思い当たる人もいるはずです。

そこに加わるのが、福岡第一高等学校 吹奏楽部の69名。資料では「ウィーン世界青少年音楽祭でウィーン大賞を2度受賞」と紹介されています。肩書きがどう、というより、大人の音の厚みと、学生の音の勢いが同じ場所でぶつかる瞬間が見どころになりそう。曲の景色が、ふっと若返ることがあるんですよね。
で、ここからが今回の“好きポイント”。このコンサート、市民参加型の「自由演奏会」があります。来場者が自分の楽器を持参して、出演者と一緒にスーザの「星条旗よ永遠なれ」を演奏する、というもの。

客席に座って拍手するだけじゃなくて、ほんの一歩、舞台側へ寄れる日。うまい・下手の前に、音を出す直前の小さな緊張とか、合図を待つ静けさまで、ぜんぶ込みで「ホールの時間」になるのがいい。こういうの、地味に助かるというか——楽器って、触るきっかけがないと、ほんとに押し入れで眠りっぱなしになりがちなので。
自由演奏会の細かな段取り(事前申し込みが要るのか、集合時間はいつか、など)は、ここにある情報だけだと読み切れません。気になる人は確認が必要です。ただ、「楽器を持って行けば混ざれるかもしれない」という一文だけで、体の奥が少しざわっとする人は、きっといます。

同じ1周年に合わせて、「開館1周年記念感謝祭」も予定されていて、ホール全館と隣接する須崎公園を会場に、音楽・展示・演劇・マルシェなどを展開するとされています。大・中・小ホールだけじゃなく、エントランスやギャラリー、ロビーまで使うという話で、建物が“鑑賞の箱”から“寄り道のある場所”へ育っていく途中の気配がします。
入場は無料で事前予約制、定員は先着1,600名。申し込みはLivePocketで、利用には新規登録(無料)が必要とのこと。派手さよりも、プロと高校生と市民の音が、同じホールの中を行き来する——その設計が、ちょっと珍しくていいなと思いました。

「星条旗よ永遠なれ」って行進曲なのに、なぜか記憶のほうにも行進してしまう曲です。天井に向かって上がった音が、少し遅れて自分に返ってくる。その往復のあいだに、福岡市民ホールの「1年目」が、きれいに折り目をつけて次へ進んでいく。そんな一日になりそうです。
出典
- 原題:【1,600名 無料招待!】福岡市民ホール 開館1周年 記念コンサート | 株式会社福岡カルチャーベースのプレスリリース
- URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000155191.html




