踊るだけじゃなく、ドレスを自分で作る。花やジュエリーにも触れて、最後は結婚式場で舞踏会へ。きらきらを、ちゃんと手間ひまのほうに着地させるプログラムの話。
「プリンセスが好き」。その一言って、かわいいで済ませられがちなわりに、本人の中ではけっこう切実だったりします。否定したくない。でも早くから“見せるための競争”に乗せたいわけでもない。その間の、なんとも言えない揺れに、ひとつ別の答えがありそうです。大阪で2024年に開校した『夢のプリンセス学校®』は、憧れを“手を動かす時間”に変えていく、半年制のプログラムだといいます。

運営はBallet Happiness Japan(BHJ)。代表の徐 冴香さんは、バレエ講師でありプロ社交ダンサーでもある人です。開催は不定期ながら、第1期・第2期は満席だったそうで、全国からの問い合わせが累計100件以上——数字だけ見ると、思っている以上に「こういう場、欲しかった」が集まっているのかもしれません。
この取り組みのいちばん好きなポイントを挙げるなら、私はやっぱり「ドレスを、自分で作る」ところ。デザインから生地選び、裁断、縫製まで、全部ひとりで挑戦する、と書かれています。ここ、地味にすごい。完成した“映える一着”よりも前に、途中の迷いとか、選び直しとか、縫い目をほどく時間とかが必ず出てくるはずで、そのプロセスごと本人のものになる。憧れが、急に現実の手触りを持ちはじめる瞬間って、たぶんこういうところにあります。

もちろん内容はドレスだけじゃありません。半年間で扱うのは、本格ドレス制作/プリンセスダンス/マナー教育/フラワーレッスン/ジュエリー制作/宝石ジュエル制度の6領域。踊る、作る、整える、飾る。上手い・下手の一直線から少し離れて、入口がいくつも用意されている感じがします。踊りが得意な子もいれば、手を動かすほうが落ち着く子もいるし、「今日はここが楽しかった」で戻ってこられる場所が複数あるのって、こういうプログラムでは案外大事。
集大成は、結婚式場を貸し切っての卒業舞踏会。ダンスとドレスの発表に加えて、ランチコースやプロショー鑑賞も含まれるそうです。結婚式場という“特別な舞台”を借りて、半年の手仕事と練習を、きちんと一日の出来事に結ぶ。写真に残るのはもちろん、本人の身体の記憶にも残りやすい終わり方だろうなと思います。

第3期については、新しい「プリンセス教科書」の導入、最上位の「グランドロイヤルコース」新設、所作・マナーを厚めにしたカリキュラム、ジュエル制度による継続の仕掛け——といった“テコ入れ”が並びます。2025年にはテレビ朝日『ナニコレ珍百景』で活動が紹介された、という記載もあり、同年に株式会社ベルコ/ベルクラシックと連携して『夢のプリンセスフェスティバル』を開いたとも。
派手な単語だけ拾うと、どうしても「きらきら習い事」に見えやすい。でも真ん中に置かれているのが「自分で作る」「段取りを踏む」「舞台まで運ぶ」という工程なのが、この企画のちょっと変わったところで、そこがいい。

一方で、日程や会場、対象年齢、定員、料金などの細部は、この文面だけだと読み取れない点も多めです。確認先としては、公式HP(https://bnljo.hp.peraichi.com)やInstagram(https://www.instagram.com/the_princess_school?igsh=MXljOWU3cDBidTd5&utm_source=qr)、問い合わせメール(ballet.happiness.2024@gmail.com)が記されています。今後は地方支部の展開や、教育関連企業・文化芸術団体との協業、ウェディング施設/商業施設との連携も視野に入れていて、2026年には初の絵本を出す予定、とも書かれていました。
プリンセスという言葉には、ふわっとした願いがつきものです。だからこそ、それを半年かけて、布の重みや針の進み方、立ち方の角度にいったん下ろしてみる——この“下ろし方”がいいなと思いました。きらきらは、努力を隠してしまうこともあるけれど、ここでは逆に、手間ひまがきらきらの芯になっている。結婚式場の光の中で自作のドレスを着て踊る一日は、思い出より先に、手の感覚として残るのかもしれません。
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出典
- 原題:【子どもの憧れと、親の願いを両立できる学校】 | Ballet Happiness Japanのプレスリリース
- URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000178047.html





