福利厚生に「お米が届く日」がある。菊川工業の新しい2つの仕組み

動画や外食の割引が使えるようになったこと以上に、気になったのはもうひとつ。3月下旬から、社員にお米5kgを年6回配る予定だという。暮らしの話が、炊飯器のそばまで近づいてきた。

値札の数字に、こっちの気持ちが追いつかない日がある。だから「福利厚生」って言葉も、なんとなく遠いまま置いてしまいがちなんだけど——現物が届く、と聞くと急に解像度が上がる。オーダーメイド建材メーカーの菊川工業が、働く人の暮らしに寄せた2つの制度を整えた。

菊川工業は1933年創業。従業員は181名(2025年12月21日現在)で、本社は東京・墨田区菊川、工場は千葉・白井にあるという。

今回の見直しは大きく2つ。ひとつめは、ベネフィット・ワンが運営する総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」。2月17日から使えるようになっていて、同日には社員向けの説明会も行ったそうだ。「制度はあるけど、使い方がわからない」って、地味に起きがちなところ。最初に足並みをそろえようとしているのは、現場目線だなと思う。

中身として挙げられているのは、動画配信サービスが無料で見られること、レストランやレジャー施設の割引、育児・介護の支援、ポイント還元など。暮らしの“細い出費”を、何本か軽くしていくタイプのラインナップだ。

そして、ここからが私の「これ、ちょっと好き」ポイント。もうひとつの制度として、お米の配布が控えている。3月下旬から、社員1人あたり5kgを年6回、届ける予定だという。

5kgって、言葉より先に重さが想像できる。買い物帰りに腕がちょっとしびれる、あの重さ。福利厚生が「使うとお得」だけじゃなくて、「届く」側に寄ると、生活の輪郭が急にくっきりする。こういうの、地味に助かるんだよな、と正直思ってしまう。

このお米は、NeweZ(ニューイッツ)株式会社が運営する「田んぼオーナー制度」を利用する形。企業が田んぼのオーナーとなり、収穫されたお米を自社米として取引先や社員に還元できる仕組みで、収穫前から売上の見込みが立つことで米農家の支援にもつながる、と説明されている。

装飾建材の仕事は、建物の見た目や質感をつくるものだけれど、今回の話はもっと台所寄り。代表取締役社長は宇津野隆元(うつの・ながまさ)。社名よりも先に、「5kg×年6回」という数字が、静かに日常へ入ってくる。

動画の無料や割引は、うまく使えば確かにうれしい。でも、米袋みたいに“手で持てる支え”が制度の中にあると、福利厚生の話がぐっと生活の言葉になる。年に6回、お米が届く日がある——その予定表が、働く場のやさしさを測る小さな目盛りになりそうだ。

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