優勝や入賞は目に入りやすい。でも、気持ちがいちばん動いたのは、ウォームアップやコースチェックみたいな“本番前の整え方”だった。こういうの、地味に助かる。
大会の結果って、数字や順位だけでもう充分ドラマなのに、なぜか読み返したくなる部分がある。JSBA学生大会で、JWSC国際スノーボード&スケートボード専門学校の学生4名が入賞。うち2名が「全日本出場」につながったという話を、今日は“表彰台の手前”から眺めてみたい。

まずは結果から。優勝は櫻井創太さん(ボードスポーツ専攻科1年)。第2位は福澤弘規さん(大学併修研究科2年)で、ふたりは全日本出場へ。さらに第4位に大澤龍雄さん(スノーボード学科1年)、第5位に廣田悠馬さん(スノーボード学科2年)。ここまで並ぶと、同じ雪の上でも、それぞれ違う時間を積み上げてきたんだろうな、と想像が追いついてくる。
ただ、今回いちばん「いいな」と思ったのは、勝ち方そのものより“整え方”の話だった。JWSCでは、技術面だけでなく、戦略の組み立て、体調管理、マテリアル(道具)の調整まで含めてサポートしているという。

なかでも、大会当日の動きが具体的だ。コーチがやっているのは、ウォームアップ、コースチェック、直前のアドバイス。本番って、実力の差だけじゃなくて、体の温まり方や目線の切り替えひとつで、いつもの動きが急に遠くなる日がある。だからこそ「やることが決まっていて、一緒に確認してくれる人がいる」って、想像以上に効く。派手さはないけれど、あの安心感は、競技の外側からしか作れない。
もうひとつ、心が揺れるエピソードもある。共に練習してきた仲間がオリンピックに出場し、銅メダルを獲得したという快挙。遠いニュースに見えて、同じ場所で汗をかいた人にとっては、急に現実味を帯びる出来事だ。励みになるし、プレッシャーにもなる。その両方を抱えたまま本番に立つときにも、結局頼りになるのは、さっきの「段取り」だったりする。

それから、競技の現場を“運ぶ側”の話も印象に残った。今回の大会では、スノーボードビジネスコースの学生が運営の中心を担うスタッフとして参加。中部スノーボード協会と連携した運営実習があるそうで、滑る人と支える人の距離が近い環境が見えてくる。スポーツって、プレーの上手さだけで完結しない。会場の空気も、進行も、誰かの手で作られている——当たり前のことを、ちゃんと思い出させてくれる。
練習環境も、いかにも“反復が前提”の設計だ。スノーボードは年間6か月の雪上トレーニングが中心。スケートボードは校内の「JWSCスケートボーディングラボ」にストリート、パークセクションを備えるという。ひらめきより先に、繰り返せる場所がある。ここもまた、あの段取りの延長線上にある感じがした。
学校としては1999年開校で、冬季五輪に5名出場、JSBA公認プロスノーボーダーは60名輩出という実績もある。数字だけ見ると大きいけれど、今回の記事の肌触りは、もっと静かだ。結果の手前にある、同じことを丁寧にやり続ける時間。その総量が、こういう入賞にふっとつながるのだと思う。
強さを語るとき、つい才能や気合いに寄せたくなる。でも実際は、ウォームアップをどう始めるか、コースをどう一緒に見るか、道具をどこまで詰めるか——そういう“本番前の段取り”が、滑りを支えている。派手じゃないのに、あとから効いてくる。今回の4名入賞のニュースは、そのことを静かに教えてくれた。
出典
- 原題:仲間の快挙が力に!JSBA学生大会で4名が入賞!競技力と人間力を両立する教育カリキュラムの結実 | 株式会社NSGホールディングスのプレスリリース
- URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001987.000032951.html





