桜の香りを、時間が支える。船橋屋「桜白玉あんみつ」の春

桜は軽やか。なのに、食べ終わると気持ちが落ち着く——その理由は、450日発酵のくず餅が底で支えているからかもしれない。

年度替わりの慌ただしさで、春をちゃんと味わう余裕がない日ってありますよね。花見に行けなくても、ひと口で季節が切り替わる瞬間がある。船橋屋の「桜白玉あんみつ」が、2026年3月5日(木)〜4月5日(日)の期間、店頭と公式オンラインショップで食べられるようになります。桜尽くしの名前に目が行くけれど、好きポイントはひとつ。“桜の軽さを、長い時間のくず餅が受け止めてくれる”ところ。

「桜白玉あんみつ」は、船橋屋の全店舗と公式オンラインショップに並ぶ春限定の一杯。価格は650円(税込)です。

桜の気配を作っているのは、まず「桜寒天」。桜の葉を練り込んだ寒天で、つるんとしたのどごしの中に、葉の香りがふわっと残るタイプ。もうひとつが「桜餡」で、白餡に塩漬けした桜葉を練り込み、白蜜と合わせているそう。甘さを強くするというより、香りと塩気で輪郭を整えていく感じで、春の味ってこうだよな、と思わせます。

ここに白玉が入ると、口の中の時間が少しゆっくりになります。もちっとした弾力が、桜の香りを受け止める“クッション”みたいで、寒天の軽さともいいバランス。

そして、いちばんの肝はくず餅。船橋屋のくず餅は、小麦澱粉を450日乳酸発酵させて蒸し上げ、保存料を使わない製法だといいます。こういう話、地味に効いてくるんですよね。桜が前に出る季節ものって、勢いで明るく終わることもあるけれど、この一杯は違う。香りは軽いのに、食べ終わりが妙に静かで落ち着くのは、底に“待つ時間”がいるからだと思います。

桜寒天のやわらかい香り。桜餡の塩気と白蜜のまとまり。白玉のもちっと感。そこに、発酵のくず餅がどっしり寄り添う。春の甘味に、腰が据わる瞬間があります。

2026年3月5日(木)〜4月5日(日)という短い季節のあいだに、桜の香りと、450日という長い時間が同じ器に同居する「桜白玉あんみつ」。軽やかなのに、あとからじわっと整う。春って落ち着かない、と感じる人ほど、この“静かな着地”がうれしいかもしれません。

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