“殺処分ゼロ”の足元にあったのは、築60年の平屋だった——茨城の犬たちを支える拠点が揺れている

茨城県で2021年度に達成されたという「殺処分ゼロ」。その裏側で、シニア犬や野犬が暮らす築約60年のシェルター「平屋」が、耐震不足や火災リスクを抱えている。認定NPO法人CAPINは、安全のための改修に向けて寄付を募っている。

ニュースの「ゼロ」って、きれいですよね。数字が整って、読んだ側の気持ちも少しだけ軽くなる。でも、現場はそこで終わらない。むしろ“続ける”ほうが長い。

茨城でその「続ける」を受け止めてきた場所が、いま、建物そのものの危うさに直面しているという話です。

茨城県は、かつて犬猫の殺処分数が全国ワーストを記録したこともある——そんな背景があるなかで、認定NPO法人 動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)は行政やボランティアと連携し、2021年度に殺処分ゼロを達成したとしている。

ただ、「ゼロ」という結果を支えるのは制度や連携だけじゃない。動物たちが実際に息をして、眠って、年を重ねていく“場所”が必要になります。その場所が、現在シェルターとして使われている、築約60年の老犬ケアハウス「平屋」だという。

平屋で暮らしているのは、足の弱いシニア犬や野犬たち。ここ、私がいちばん引っかかったポイントでもあるんですが——“すぐ逃げられない”子たちがいる場所だからこそ、耐震とか配線とか、地味なところがそのまま命綱になるんですよね。こういうの、派手じゃないぶん見落としがちで、でも本当は一番こわい。

CAPINによると、この「平屋」は耐震基準を満たしていない。倒壊の危険があり、ネズミによる配線被害から火災につながるリスクも抱えているという。揺れてから、焦げ臭くなってから考えるには遅いタイプの問題です。

そこでCAPINは、耐震・安全の改修工事に向けて寄付を募っている。期間は2026年3月31日まで。目標金額は500万円で、次の目標として800万円も掲げている。プロジェクトページは https://congrant.com/project/capin/21381 にある。

寄付の話で、もうひとつ気になるのが「手数料ってどうなるの?」というところ。一般的な寄付型クラウドファンディングでは、寄付決済あたり9〜20%の中間マージンが発生することがある、と説明されている。

今回のプロジェクトは、企業支援型の「GIVING for SDGs sponsored by ソニー銀行」の認定プロジェクトで、決済手数料率は0%だという。寄付決済時に発生する決済手数料をソニー銀行が協賛して負担する仕組みで、特設サイトは https://congrant.com/jp/corp/sonybank/givingforsdgs.html に記載がある。

「殺処分ゼロ」という言葉が、急に生活の匂いを帯びる瞬間があります。耐震不足、配線、リフォーム。硬い単語ばかりなのに、想像するとすごく具体的で、床のきしみや、寒い夜の室内みたいな感触が立ち上がってくる。ゼロを“続ける”って、こういう足元の整備とセットなんだな、と。

結果の数字が整っているほど、途中の手触りは見えにくくなる。「平屋」という素朴な名前の建物に、足の弱い犬たちの今日がそのまま入っている——そう思うと、改修ってただの工事じゃなくて、暮らしの延長線なんだと感じます。

出典

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